おじさんには恋なんて出来ない
第十二話 本音
辰美が風呂から出ると、風のような音がした。天気が悪いのだろうか。中にいるのにびゅうびゅうと音が聞こえてくる。
すぐ収まるといいのだが────。そう思いながらタオルをかぶってリビングに戻った。
「美夜さん、お風呂空いたけど……」
そこには美夜の姿はなかった。あれ? と思いベッドルームの方を覗く。だが、そこにも美夜はいない。
「美夜?」
辰美は奇妙に思った。トイレも確認したが、誰もいない。
どういうことだろうか。もしかしてコンビニにでも行ったのだろうか。
慌ててスマホを確認すると、一件のメッセージが届いていた。
『ごめんなさい。急用ができたので帰ります』
メッセージは美夜からだ。彼女が出て行ったことが分かって少しばかり安心したが、また別の不安が沸いた。
急用とは一体なんだろう。仕事だろうか。さっき美夜の様子がどことなくおかしかったことが気になった。
電話しようか。だが、仕事で帰ったのなら電話すると不味いだろうか。落ち着かなかったが、とりあえずメッセージを送ることにした。
『忙しいのにごめん。風が強いから気を付けて。また連絡する』
本当はもっと色々聞きたいことがあった。美夜が言い出すまで待とうと思ったが、先に聞いておくべきだっただろうか。
なんだか不安だ。この間からあまり話せていない。
けれど距離を詰めていいのかよく分からない。歳上の男があれこれ口を出して鬱陶しがられないだろうかとか、過保護すぎるだろうかとか、色々考えてしまう。
いつまでも美夜に甘えていたら元妻の時の二の舞だ。だが、恋愛偏差値が低いせいだろうか。こんな時のどうすればいいか分からなかった。
すぐ収まるといいのだが────。そう思いながらタオルをかぶってリビングに戻った。
「美夜さん、お風呂空いたけど……」
そこには美夜の姿はなかった。あれ? と思いベッドルームの方を覗く。だが、そこにも美夜はいない。
「美夜?」
辰美は奇妙に思った。トイレも確認したが、誰もいない。
どういうことだろうか。もしかしてコンビニにでも行ったのだろうか。
慌ててスマホを確認すると、一件のメッセージが届いていた。
『ごめんなさい。急用ができたので帰ります』
メッセージは美夜からだ。彼女が出て行ったことが分かって少しばかり安心したが、また別の不安が沸いた。
急用とは一体なんだろう。仕事だろうか。さっき美夜の様子がどことなくおかしかったことが気になった。
電話しようか。だが、仕事で帰ったのなら電話すると不味いだろうか。落ち着かなかったが、とりあえずメッセージを送ることにした。
『忙しいのにごめん。風が強いから気を付けて。また連絡する』
本当はもっと色々聞きたいことがあった。美夜が言い出すまで待とうと思ったが、先に聞いておくべきだっただろうか。
なんだか不安だ。この間からあまり話せていない。
けれど距離を詰めていいのかよく分からない。歳上の男があれこれ口を出して鬱陶しがられないだろうかとか、過保護すぎるだろうかとか、色々考えてしまう。
いつまでも美夜に甘えていたら元妻の時の二の舞だ。だが、恋愛偏差値が低いせいだろうか。こんな時のどうすればいいか分からなかった。