愛しているから殺させて
罪と罰〜怒りと銃声〜
約束の日がやってきた。ピーターは朝から「友達と遊ぶ」と言い出かけてしまったが、好都合である。ブランシュは気合いを入れてお祝いをするための準備を始めた。

午前中に掃除を隅々まで済ませ、花などで部屋を飾り付けていく。部屋は一気に華やかになり、ブランシュは料理に取り掛かった。

この日のために、こっそり豪華な料理をずっと練習してきたのだ。ピーターが喜んでくれるよう、ブランシュは丁寧に作っていく。

サーモンと季節の野菜を使ったサラダ、普段は口にすることのない高級なお肉を使ったローストビーフ、きのこを使ったスープも用意した。

「あとはケーキね」

せっかくのお祝いなので、ホールケーキを作ることにした。余ってしまったものはリメイクしたり、明日食べたらいい。そう思いながら、ブランシュは生クリームを泡立てていく。

夕方になる前には、お祝いの準備はできていた。

「完璧……！」

ピーターが喜んでくれることを期待し、ブランシュは胸を高鳴らせる。去年も一昨年も、ピーターは「用事がある」と言ってお祝いすることができなかった。今年こそは一緒にお祝いしたい。
< 11 / 16 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop