愛しているから殺させて
「ピーターさん、休憩はあとにして先に勉強をしましょう」

「まあまあ、ちょっとお腹空いてるし先に食べようよ。じゃないと、ケーキがなくなっちゃうよ」

「ですが……!」

ブランシュの言葉を無視し、ピーターは取り皿を二枚取ってケーキを取りに行ってしまった。ピーターに振り回され、自分のペースに持っていけない。ブランシュは頭を抱えてしまう。

数分後、ピーターは取り皿にケーキをたくさん取って席に戻ってきた。ショートケーキにチョコレートケーキ、抹茶が使われているものからフルーツたっぷりなものまでたくさんのケーキが取り皿の上に並んでいる。

「はい、これブランシュのぶんね」

取り皿の一つを目の前に置かれ、ブランシュは驚く。そんなブランシュにピーターは優しく微笑み、ケーキを食べ始めた。

「せっかく来たんだから、ブランシュも食べようよ。すっごくおいしいよ!」

ピーターが何度も「おいしい」と言うため、ブランシュはチョコレートケーキを一口食べてみる。刹那、濃厚なチョコレートの味に頬が緩む。
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