毒吐き幼なじみはときどき甘い。
そう考えたら、ぐぬぬ、と悔しさが溢れてきて、
昴くんに渡すべく、『ピンポンピンポン』とインターホンを連打した。
そして少しして、てっきり私はインターホンの通話を繋げてくれるかと思っていたのに。
「……うるせーぞバカ女!
ぶん殴ってやろうか、あぁ!?」
「……昴くん」
マスクをして、ゼーハーと荒い呼吸をする昴くんが家のドアを開けて目の前に現れた。
「はぁ…こんな時くらい、嫌がらせに来んじゃねぇよ」
「…嫌がらせのつもりではないけど」
「インターホン連打は嫌がらせだろ…。
おとなしく寝かせてくれよ…」