毒吐き幼なじみはときどき甘い。
「え、どど、どうしたの!?」
「どうしたはこっちのセリフだバカ…
……なんで、優しくすんだよ…」
ずっ、ずっ、と鼻をすすってる昴くん。
や…ほんとどうした?
熱で頭おかしくなっちゃったのかな…。
「す、昴くんだって、
一昨日は急に優しかった」
「それは、千花が弱ってたから…」
「……私も同じだよ。
弱ってる昴くんに冷たくするほど、鬼じゃないから」
「……俺のこと嫌いなのに…?」
昴くんが、熱でとろんとして、涙で濡れた目で私を見つめる。
なんつぅ色気……じゃなくて!
「……だ、だって昴くん、
いつも風邪ひくとしんどそうだし、
おばさんとおじさんもいつもいなくて一人でしょ?
…嫌いとはいえ、幼なじみとしては放っとけないっていうか…」