毒吐き幼なじみはときどき甘い。
甘えたな昴くんは、
まるで、昔の昴くんみたいで……
「……昴くんって、
──彼女いるの?」
もしもそれを
私以外の誰かにしてるとしたら。
きっとその人は
昴くんのことを、好きになっちゃうと思う。
「………いねぇよ」
「……そ、か」
「……いてほしかった?」
上目遣いで私を見る昴くん。
私はキュッ、と小さく下唇を噛んだ。
「……い、
いた方が、いいよ」
「……どうして…?」
「こ、こういう時、
私なんかよりも、好きで好きでたまらない女の子が来てくれるんだよっ?
……いた方が、絶対いいよ」
「……だったら、
彼女なんていらない」