毒吐き幼なじみはときどき甘い。
コロコロと床を転がる空のペットボトルを徐に拾い上げる。
……なにが“お節介”だ。
『……そばにいてよ』
『手…繋いで?』
離さなかったのは、自分のくせに。
ベコ…とペットボトルを握り潰して
昴くんにそれを投げ返した。
「…っ、いたっ!
……なにすんだよ!」
「ほんと、自分勝手…」
「……は?」
「……昴くんなんか、一生嫌い!大嫌い…!!」
じわ、と溢れてきた涙を見せないように、
急いで昴くんの家を出た。
「……っ」
『俺……千花のこと守れてる…?』
……守られてなんてない。
いつだって、
私を一番傷付けるのは、昴くんなんだから。