毒吐き幼なじみはときどき甘い。




「……はぁ」




海ちゃんの言う通り、一曲も歌ってないのに、すごい気疲れ。



ちょっとでも口を開けたらため息しか出てこない。



ドリンクバーでグラスにジュースを注いでいると


隣に誰かが立つ気配がした。




「……ごめんね、無理矢理連れてきて。
楽しくないよね」




隣でそう呟くのは



海ちゃん。




「天を呼ぶための口実ではあったんだけど、
千花ちゃんにも楽しんでもらいたかったのに…」




隣でしょぼん、と肩を落とす海ちゃんを見て、すごく申し訳なくなる。



楽しくない…とまでは言わないけど


居心地が悪いのはたしか。




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