毒吐き幼なじみはときどき甘い。



「…あのね、
私がいても盛り上がらないでしょ?
私、海ちゃんの友達と仲良くないし、
昴くんとも……」




ケンカ…というのかはわかんない。私が一方的に嫌いって言い逃げしたから。


でも、ケンカしてるようなものだから…。




「ごめんね。
私のせいで空気悪くして」



「そんなことないよ!
…なんか昴がめちゃくちゃ不機嫌だけど、千花ちゃんのせいじゃないと思うから」




海ちゃんが何を根拠にそう言ってるのかわかんないけど、絶対私のせいだよなぁ…。



でも、昴くんに『嫌い』という言葉は、ずぅっと前から言ってきた。



私だって、今さらあんなに不機嫌になられるとは思ってなかったよ…。




「昴が不機嫌なのは…他に理由があると思う!
天がモテモテだからとか!」



「ふふ、そうだね」




たしかに嫉妬してそう。




「…あ!でもね!
天ってすごく音痴なんだよ!
知ったら、昴笑うんじゃないかな」




『だから大丈夫』って笑ってくれる海ちゃん。



私を元気づけようとしてくれる海ちゃんに、『ありがとう』と返した。




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