毒吐き幼なじみはときどき甘い。



ジュースを持って部屋に戻ると、



キィィィン…とマイクのハウリング音が響いた。




「……あー…」




それはそれは、地獄絵図のよう。



雪森くんがマイクを握っていて、それはもう…まんまジャイ〇ンリサイタルのような光景だ。



さっきまでキャアキャア黄色い声をあげていた女の子たちも、ドン引きしていた。




「ね、言ったでしょ?
天は音痴だって」



「ははは…」




予想以上です。



チラッと昴くんの方へ目を向けると、



笑いを堪えるようにぷるぷる震えていた。




……昴くん、機嫌良くなったんだ?



私がいるから嫌だったわけじゃなくて、海ちゃんの言う通り、雪森くんだけモテてたのが嫌なだけだったのかな…?




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