毒吐き幼なじみはときどき甘い。



「だったら話入ってくんな」



「……天ばっかり千花ちゃんと楽しく喋っててずるい…」




ふぐぅ、と涙を滲ませる海ちゃん。



あれれ。この光景は…



……昔よく見たやつ。




「高校生にもなって泣くなよバカ」



「泣いてない!」



「泣きそうじゃん」



「泣いてないもん!」




う〜〜っと唸る海ちゃんと、面倒くさそうにはぁ、とため息をつく雪森くん。



なんて声をかけたら…と悩んでいたら


部屋のドアがガチャと開いた。






「は?
おい俺の飲み物勝手に移動させんなし」




開けた主は、雪森くんたちのことはお構いなしに、部屋に入ってきて早々文句を垂れ流してる。



おまけに移動させた飲み物を私の前に戻して。




「どけ。そこ俺の席だから。
おまえあっちでしょ。寝ぼけてんの?
まだ夕方なのにおねむ?ばあちゃんかよ」




ぐいぐいと私をソファの端に追いやった。




…いや、強引すぎる!


もうちょっと優しく言えないのか。ていうか寝ぼけてないし!誰がばあちゃんだ!!




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