毒吐き幼なじみはときどき甘い。




昴くんと雪森くんがよくわからない話をしている間、



私は昴くんの言葉が気になっていた。




『女の子と連絡先交換した』




あぁ…機嫌良くなったのは、お気に入りの女の子見つけたから?



やっぱり私がいたから、不機嫌だったのかな。



嫌いな女だもんね。当たり前か。




「……あの、私帰るね」



「え、千花ちゃん?」



「お金、これで足りるかな」




財布から五千円取り出して机に置き、カバンを持った。




「足りるっていうか多すぎ…って、千花ちゃーん!」




海ちゃんの言葉聞かずに部屋を出る。



……やっぱり来なきゃよかった。



昴くんはそういう人だって、わかってたのに。




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