毒吐き幼なじみはときどき甘い。









家に帰ってからは、普段通りにご飯を食べてお風呂に入って、



薄着のまま2階にあがって、部屋のドアを開けた……ら。




「……」




あるはずのないものが見えて、パタンと部屋のドアを閉めた。



……いかんいかん。


考えないようにしようとしてた反動か、幻が見えてしまったようだ。



親指と人差し指で目頭をつまんでいたら。




───ガチャ。




目の前の扉が勝手に開いて、




「……っ、え…」




驚くのはこっちのはずなのに、なぜかびっくりしたようにこっちを見る昴くんが私の部屋にいた。




「……おま…っ、な、あ、…え…」




昴くんの視線が、不自然なくらい泳いでる。




「……ふ、服着ろ!」



「服?
着てるけど」




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