毒吐き幼なじみはときどき甘い。



ちょっと薄着なだけで、裸じゃないんだけど。




「む、無防備なんだよ、おまえは!
窓の鍵も開けっ放しだし…」



「…窓から入ってきたの?
不法侵入だよ」



「おまえの部屋なんだから、いいだろ」




なに、その俺様思考。



いくら幼なじみでも、プライバシーはあるんですけど。




「……着替え中だったらどうするの」



「ちゃんとノックはした。
返事がなかったから、中で待たせてもらってただけだ」




やっぱり昴くんって、なんかズレてる。



着替え中じゃなければいいってことじゃないからね。



……って、そんなことはどうでもいい。




「……なんで私の部屋にいるの?」



「……お金、多すぎって海が。
返しといてって渡された」




ん、と机を指さす昴くん。



机の上に、おつりであろうお金が無造作に置かれていた。




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