毒吐き幼なじみはときどき甘い。




「……今日連絡先を聞いた子は、かわいかった?」




机の上のお金を財布にしまいながら聞いたら、


昴くんがフッと笑う声がした。




「まぁ…普通?」



「……そう。
昴くんから聞いたの?」



「まぁな」



「……昴くんでも、女の子に連絡先を聞ける度胸があったのね」



「なめんなバカ。
いつまでもガキじゃねーんだよ」



「……あそ」




財布をカバンにしまって、会話を終わらせるようにチャックを閉める音を響かせた。




「……千花」



「……」




もう昴くんも帰るだろうと思って


そろそろベッドに入ろうと後ろを向いたら


いつの間にかすぐ後ろにいた昴くんが、ぎゅうっと私を抱きしめた。




「え……」





< 147 / 293 >

この作品をシェア

pagetop