毒吐き幼なじみはときどき甘い。
「……今日連絡先を聞いた子は、かわいかった?」
机の上のお金を財布にしまいながら聞いたら、
昴くんがフッと笑う声がした。
「まぁ…普通?」
「……そう。
昴くんから聞いたの?」
「まぁな」
「……昴くんでも、女の子に連絡先を聞ける度胸があったのね」
「なめんなバカ。
いつまでもガキじゃねーんだよ」
「……あそ」
財布をカバンにしまって、会話を終わらせるようにチャックを閉める音を響かせた。
「……千花」
「……」
もう昴くんも帰るだろうと思って
そろそろベッドに入ろうと後ろを向いたら
いつの間にかすぐ後ろにいた昴くんが、ぎゅうっと私を抱きしめた。
「え……」