毒吐き幼なじみはときどき甘い。



ふぅ、と息を整える昴くんは、朝なのに汗がすごい。



なんでそんなに急いでたんだろう。時間を間違えてるんじゃ?



でもそんなこと言って、昴くんに恥をかかせたらまだ罵倒されるに決まってる。




「昴くん」



「あ?」




余計なことは言わないように、昴くんにタオルを差し出すと



昴くんは「は?」と不思議そうな顔をした。




「……なんだよ」



「汗、すごいから」



「タオルくらい自分で持ってる」



「……あ、そう」




……昨日の昴くんは



なんだか少し、変で。



もしかしたら今日も変なんじゃないかと思ったけど




この冷たさはいつも通りだ。




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