毒吐き幼なじみはときどき甘い。



ふたりの掛け合いに、やっぱり騒がしいなって思う。



でも…前ほど不快に思ってないのはなぜだろう?




「で、
結局食堂行くのかよ?」




2人が話に夢中になってる間にコソコソと移動を試みたのだけど、昴くんにバレてしまった。




「……だって
昴くんは、私と一緒は嫌でしょ?」



「は?
俺は嫌なんて一言も言ってねぇけど」



「いつも嫌がってるじゃん」



「はぁ?
俺がいつ嫌がったんだよ」




嫌だから、私が教室から出ていくように早くうちのクラスに来てるじゃん。



思い返しているうちに、ふと気付く。




……あれ?


昴くんって、私に教室出てけって言ったことあったっけ?



私が昴くんの顔を見ないようにって勝手に出ていってるだけで…



昴くんに言われたことはない気がする。




< 167 / 293 >

この作品をシェア

pagetop