毒吐き幼なじみはときどき甘い。
お弁当を食べ終わって、教室に向かって歩いていると。
「うぉっ!」
「わっ!」
曲がり角で、前から来た人とぶつかりそうになってしまった。
「……雪森くん?」
「ん?
あぁ…同じクラスの……」
紡がれないその続きに、
名前覚えてないんかい、と心の中でツッこんだ。
それより。
「下見ながら歩いて、どうかした?」
雪森くんは床をキョロキョロ見ながら歩いてる。
なにかを探しているみたいに。
「あー…べつに。
……って、あ!!」
「!?」
急に雪森くんが大きな声を上げたかと思ったら、
私のブレザーのポケットから飛び出していたストラップをグイッと引っ張られた。