毒吐き幼なじみはときどき甘い。
私から友達をやめた。
『わたしたち友達だよね?』
あんな言葉
素直に聞いてやるつもりなんてなかったから。
「さっきの女の子…早苗っていうんだけど、
さなちゃんって呼んでた。
小学校に入ってから、初めてできた友達だったの」
「…ふーん。
じゃあなんで友達やめたの?」
「……さなちゃんは
昴くんのことが好きだったから」
お茶のペットボトルを握ったら、ベコッと凹んでしまって。
「うわわ…!」
お茶がボタボタと地面にこぼれてしまった。
「もったいない…!
ごめんゆきくん…!!」
「べつにいいけど。
ていうか、それどういうこと?」
雪森くんはカバンからタオルを出して、お茶で濡れてしまったスカートの上にそれを乗せてから私の顔を覗き込んだ。
「どうって…そのままの意味…」
「だってそれ、
その子が昴を好きだったら都合悪いってことじゃないの?」