毒吐き幼なじみはときどき甘い。
「……都合、悪かったもん」
「なんで?」
「私と昴くんが、幼なじみだったから」
小学生の時は
昴くんが反抗期(?)を迎えるまで、ずっと一緒にいたし、
私と昴くんが幼なじみであることは、多くの人に知れ渡っていた。
それで…
「……私と昴くんが仲良いのが、気に入らなかったんだよ」
「えーめんどくさ。
幼なじみは幼なじみの距離感があんだから、
突っ込んでほしくないよな」
「それな」
思わず真顔で雪森くんに返したら、クスッと笑われた。
「でも、
だったら昴との距離感を改めれば、解決できたんじゃないの?」
「そ…れは…」
そうなんだけど…
「……言っても聞かなかったよ」
「なんて言ったの?」
「……『昴くんと
幼なじみじゃなければよかった』って」