毒吐き幼なじみはときどき甘い。
本当にそう思ってたし。……半分は。
「それで、昴はどうしたの?」
「私がそう言ったのが気に入らなかったのか、そこから私に対するあたりがキツくなって…」
嫌がらせしてくるようになったのは、その頃からだったと思う。
それだけ、『幼なじみじゃなければよかった』って言ったことが嫌だったんだって、
昴くんはずっと、“幼なじみ”でいたいんだって思ったら……無性に腹が立った。
「私の気も知らないで、
私にあたってくる昴くんが嫌いだった」
「……そっか。
昴のせいで千花ちゃんが友達に嫌な目で見られてるのに、
昴は助けるどころか、それ以上に千花ちゃんに苦しい思いさせてたってことか」
「…こんな言い方したら、
私の被害妄想だって思われるかな…」
「そんなことないじゃん。
嫌な思いしてんのは事実なんだから。
今の昴の態度見てたら、千花ちゃんが嘘ついてないことはわかるよ」