毒吐き幼なじみはときどき甘い。
思春期だったから…ちょっとしたことでイライラして…。
「……昴くんがモテるようになったのが嫌で…。
それで……昴くんにあたっちゃったの」
「……そうかい。
ずっと一緒にいたからこそ、すーくんが誰かのものになるのが許せなかったんだねぇ。
すーくんのことが大好きだったから」
「………ん…」
さなちゃんが友達だったからとか、そんなことじゃない。
昴くんが、誰かに好かれるのが嫌だった。
いつか昴くんが、誰かを好きになるのが嫌だった。
………好きだったから。
…あの時の私は、昴くんのことが好きだったから。