毒吐き幼なじみはときどき甘い。



まさか、そんなタイミングで出てくるとは思ってなくて心の準備が…!




「……ど、
どっか行くのかよ」




お互い視線を逸らしながら、



先に口を開いたのは昴くん。




「……おばあちゃん家行って、
帰ってきた、とこ」



「あー……そう…」




え、なんでこんなに気まずい…?






「………悪かったな」




会話と呼べるかわからないやりとりの間に、突然昴くんが謝ってきて、思わず「え?」と返した。



え…なんで?


謝るのは、私のはず…。




「昨日、弁当ダメにして…悪かった」



「あぁ……」




そっか。それで私が怒ってると思って昴くんの歯切れが悪かったのか。



そんなこと、すっかり忘れてた。




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