毒吐き幼なじみはときどき甘い。





それから10分ほど経った頃。



ずっと座りっぱなし、されっぱなしでどうしたらいいかわからなくて、




「はい終わり」




その言葉を聞いた瞬間、ガクンと力が抜けた。



座ってただけなのに、疲れた…。



終わったなら早く自分の教室に行こうと立ち上がったら、



ガラガラと音をたてて、教室のドアが開いた。




「……、え…っ」



「あっ…」




入ってきた彼と目があった瞬間、



驚いたように目を開いてから、パッと視線を逸らされた。




「夏原くん、おはよう」



「お、おー…」



「?
海ー、なんか夏原くんがヘン」



「はぁ?
昴はいっつもヘンだから!」



「失礼な!」




入ってきた昴くんと海ちゃんが、わーわー言い合いをしてる。



それを見ていたらまた、昴くんと目があって。




「……!!」




またすぐに視線を逸らされた。




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