毒吐き幼なじみはときどき甘い。
「待って、なんで私が…?」
「だって千花ちゃん、
わたしが昴くんの話する時すごく興味なさそうだったし…不機嫌だったし。
……その理由も、言ってくれなかったじゃん」
え…嘘。
不機嫌とか、隠してるつもりだったのにバレてたの?
どんだけわかりやすいんだよ私…;
「……たまたま、不機嫌な日だっただけだよ」
「……そうやって、今でも隠すんだね」
『もうわかった』とカバンを持って席を立つさなちゃん。
「……昨日は庇ってくれてありがとう。
……さようなら」
冷たい声でそう言って、去っていこうとするさなちゃんだったけど。
「……ちょっと待って」
壁を挟んで隣の席に座ってた人が、歩いていこうとするさなちゃんの腕を掴んだ。