毒吐き幼なじみはときどき甘い。
「千花ちゃん」
お店を出た時、さなちゃんに呼び止められた。
「なに?」
「今まで、本当にごめんなさい。
それから、ありがとう」
「え…」
「こんなわたしと、仲良くしてくれて」
にこ、と笑うさなちゃんは、少し悲しそうに見えた。
……悲しそうなのはきっと、今がつらいから…だよね。
「大丈夫だよ、さなちゃん。
さっき私に言ったように、
不満なことは全部言えばいい。
きっと、そんなさなちゃんを救ってくれる人はいる」
「……」
最初に話しかけてくれたのは、さなちゃんの方だった。
私よりもきっと、友達は上手くつくれるはず。
「…私はもう、さなちゃんと関わるつもりはないけど、
さなちゃんなら大丈夫」