毒吐き幼なじみはときどき甘い。
そう言ったら、深く頭を下げられて。
「ありがとう千花ちゃん
……大好きだったよ。
さようなら」
顔は見られたくなかったのか、下を向いたまま、
少し震えた声がそう言った。
そしてそのまま、さなちゃんは走り去っていった。
「……さぁ〜てと!
あたしたちも帰りますかね〜」
わざとらしく口笛を吹いて、ゆきくんと歩いていく海ちゃん。
腕を掴まれ引っ張られていくゆきくんが、突然こっちに振り向いて。
「千花ちゃん
……お幸せに!」
それだけ言ったら、2人とも手を振って歩いていってしまった。
「千花」
「…ひゃあ!」
昴くんの声がすぐ耳元でして、ビックリして変な声が出てしまった。
……恥ずかしい…。