毒吐き幼なじみはときどき甘い。
帰り道を歩きながら、海ちゃんが色々話してくれた。
「学校一緒だったのは偶然。
あたしは食堂で何度か千花ちゃんのこと見かけてて、でも遠目だったからもしかしたら?くらいに思ってたけど、今日話して確信した。
同じクラスの天より先に気付けたあたしの方が千花ちゃん愛すごいと思わない!?」
「あ…あはは」
どこで張り合ってんだか。
自分で言うのもなんだけど、この双子には昔から大層好かれている気がしてた。
今もそれは健在なんだろうか?
「えっと…じゃあカラオケ誘うために私の名前使ったのはどうして?」
「昔から天は、あたしと張り合うくらいには千花ちゃんのこと好きだったし、
だから千花ちゃんの名前出したら、乗ってくれるかなって…。勝手なことしてごめんね」
……そうは言うけど、なんで私の名前を出したら雪森くんが来てくれると思ったんだろう。
地味だし、愛想もよくないし、昴くんたちみたいな人と仲良くできるコミュ力もない。