毒吐き幼なじみはときどき甘い。
高校生のゆきくん
「あのー…昴くん」
「なに」
「……カラオケはどうしたの?」
「知らね。
後から合流すればいいだろ」
えぇ…。
女の子の誘いにノリノリだったくせに。後からとかでいいの?
ていうか、わざわざ私を送るなんて、
……暇なのかな?
「で。
あの女から余計な話でも聞いたかよ」
「え?」
「ベラベラ喋ったろ、あの女。
どうせ聞いたんだろ?
あの2人と幼なじみってこと」
昴くんは猫背になりながら私の前を歩く。
その言葉は、なにか、拗ねてるような声に聞こえた。
「……聞いたよ。
仲良かった、うみちゃんとゆきくんのこと」
「おまえさぁ、
同じクラスの天を見た時に気付かなかったわけ?」