毒吐き幼なじみはときどき甘い。
昴くんもらったスポーツドリンク、飲んどけばよかった。
はぁ、と後悔してる間に、
雪森くんが私の前にしゃがんで、私のおでこに触れた。
「あつ…。熱あるじゃんか」
「……ねつ…」
「なんで気付かないかな。
バカじゃないの」
雪森くんの怒ってる声がする。
…バカって言われた。雪森くんに。
昴くんになら言われ慣れてたけど…そっか、私本当にバカだったんだなぁ。
「クソ…だったら早く開けてもらわないと」
そう呟いた雪森くんは
ポケットからスマホを取り出して、誰かに電話をかけた。
……あれ…さっき、スマホは教室って言ってなかった…?
なんで嘘ついたんだろう、なんて、考えるのもしんどくて。
電話の向こうの誰かと話してる雪森くんの声を聞きながら、目を閉じた。