毒吐き幼なじみはときどき甘い。
*昴side
「……あれ?」
放課後になって、いつもと同じように天の教室に来たのに、教室に天はいない。
おまけに、千花もいない…。
なんか、嫌な予感すんだけど。
「なぁ」
「はい?」
「天と…丸岡、どこにいるか知ってる?」
教室にいた女子に聞いてみると、「わかりません」とだけ返された。
天のことだけ聞けばいいのに、千花のことも聞いたからか、不思議そうな顔をされた。
俺と千花が幼なじみであることは、あんまり知られてない。
知られたくないから。
いや…俺が知られたくないわけじゃないんだけど、
千花が嫌がるから。