この夜、返品可能です。





わたしの膝の上で目を閉じた宵くんの綺麗な顔をじーっと見つめる。

かっこいい、綺麗だ、今日も。



4つも年が離れていると、大学での宵くんの様子が分からないから、必然と知らないことが増えてしまう。

三谷くんが見かけたという、宵くんが一緒にいた女の人は誰なんだろう。





その子が本当は本命で、わたしはただの都合の良い膝枕なのかな。

幼なじみという立場を利用してしつこく迫ってここまで無理やりたどり着いたわたしじゃ、やっぱりもう今更恋愛対象には見れないのかな。


頬に手をすべらせ、なめらかな肌をなぞる。ピクリと身体を動かした宵くんが、ゆっくりと瞼を持ち上げた。





「……ん、仁乃 おはよ」

「……、宵くん、」



​───宵くんが本当に好きな人は、一体誰なの。




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