この夜、返品可能です。
……って、違う違う。
そんなことはどうでも良くて。
「宵くんこういうプレイが好きだったんだ……」
「うん」
「うん……!?」
「男の夢的な、アレ」
「どれ……!?」
宵くんはどうやら今日はキギョウセツメイカイがあったらしく、大学の入学式ぶりに見た超絶レアで素晴らしいイケているスーツ姿を披露していた。
それでもって、付けていたネクタイをしゅるりと外し、そのネクタイで────私の手首を拘束している。
ちなみにそういう、ラブな感じの雰囲気にいたわけではなくて。
ただ本当に 宵くんが昨日の電話で、今日はスーツって言っていたから レアだし目に焼き付けておきたいなって思って、部屋でまちかまえていただけだ。
「宵くんネクタイほどいて!」
「やだね、仁乃は暴れるから」
「何をする気なんだねいったい」
「合意の上で犯す?」
「怖い怖い怖い」
はて、いったいなぜこうなった?