この夜、返品可能です。




「今日はそういう気分じゃないのです私は」

「俺はそういう気分です」

「そういう男はモテません」

「でも仁乃はそんな俺が好きと」

「ぐぬぅ……」




それを言われちゃなんにも言えない。

好きだよ今日も、全力でラブなんだから。



「……仁乃、なんか俺疲れた」

「肩揉んであげる?」

「要らない」



頭の上で拘束された手首。ネクタイの上から宵くんがギュッと手を重ねる。


動く権利は完全に奪われた。




< 144 / 181 >

この作品をシェア

pagetop