この夜、返品可能です。
「今日はそういう気分じゃないのです私は」
「俺はそういう気分です」
「そういう男はモテません」
「でも仁乃はそんな俺が好きと」
「ぐぬぅ……」
それを言われちゃなんにも言えない。
好きだよ今日も、全力でラブなんだから。
「……仁乃、なんか俺疲れた」
「肩揉んであげる?」
「要らない」
頭の上で拘束された手首。ネクタイの上から宵くんがギュッと手を重ねる。
動く権利は完全に奪われた。