この夜、返品可能です。





「つか仁乃、脱いだらボインって言ってなかった?」



宵くんの悪い顔。嘘を弄ってくるところ、最高に嫌いだ。

でもその悪い顔は好きだ。かっこいい。




「そん、そんなの嘘に決まってるじゃん!」

「知ってた」

「ううっ!最低だ!」

「嘘つくのもサイテーだよ、仁乃ちゃん」




それを言われたら何も言えない。

現に今、わたしは宵くんに嘘をつきまくっている。



具体的にはそう、「せふれ」になる覚悟がちゃんと出来ていないのに誘ってしまったこととか、一回だけでいいから!と言う割にもう逃げ出したいくらいチキってしまっているところとか。



ええん、どうしよう。


宵くん、わたし本当に、キスだけでもうかなり無理なの、どうしよう。




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