この夜、返品可能です。
「なぁ仁乃。もし、ほんとにほんとに怖いなら、ちゃんとお願いするならやめてあげてもいいけど」
「……」
「おい」
「……」
「無視すんなAマイナス」
「……、(ただの悪口じゃん)」
くしゃくしゃと髪をかいた宵くんが、はー……とため息を着く。なんだ、その溜め息はなんだ。
「…そういう感じね?」
ニッと口角が上がった───次の瞬間。
触れていた手が動き出し、わたしが知らない刺激を与え始めた。身体を撫でる手つきがさっきと比べ物にならない。
まって、
声を洩らした時にはもう遅かった。
「っあ、や、やだっ」
「やだ?」
「っ変、くすぐった、」
「ちがう。仁乃、それなんて言うかさっき教えたよな」
───それね、感じてるって言う
まだ触られてるのは胸だけなのに。
やだよ、認めたくないよ。宵くん、待って。
「ッ、宵く────」
悪い顔をした宵くんに捕まったら最後。
「後悔すんなよ、仁乃」
宵くんの熱に、捕まった。