この夜、返品可能です。






「つーか、」



宵くんの手が伸びてきて、ポン、とわたしの頭に触れた。

髪の毛を崩さないように優しく撫でるのが宵くん流だ。



この手は、彼の手のひらは、今まで何人の女の子の頭を撫でてきたんだろう。考えて、ちょっとだけ胸が傷んだ。



「仁乃にそういうのまだ早いから」




あーあ、でたでた。


宵くんの必殺 : 『仁乃にそういうのまだ早いから』。



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