この夜、返品可能です。






宵くんが「せふれ」を作っていたあの時と同じ年になったのに、そう言って線を引く宵くんは、わたしを置いてどんどん大人になっていく。



宵くんと同じ高校に入ったのに、4つも離れているせいで同じスクールライフを送ることは出来なかった。


紺色のブレザーを着た宵くんが大好きだったのに、その制服は今やクローゼットの奥にしまわれてしまった。





「……宵くんは高校一年生で「せふれ」がいたじゃん」

「俺はいいけど仁乃はダメ」

「さては前世はジャイアンだったのか?」

「…ホント、毎日お気楽でいいねお前は」




はぁ、とため息をつかれた。

ひどい、こっちだって好きでジャイアンの話をしたわけじゃないのに。




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