この夜、返品可能です。






「大体付き合うことになったのも仁乃がしつこく迫ったからでしょ」

「ウッ、そんなことは」

「あるでしょ。目が泳ぎまくってるけど」

「あーっ!あんな所にオキタくんの残像が!?」

「オキタくんは紙越しにしか会えないのよ居るわけないでしょバカ」




ひどいよカナちゃん、急に現実見るじゃん。




「宵くんにちゃんと確認しなよ。わたしのこと好きですかーって」

「えぇぇ、そんなの、」

「一回でいいからヤラせて下さいとか散々キモイこと言ってたくせに 好きかどうかの確認はできないの?どういうこと?」

「カナちゃん冷たいよ…」



分かってるけど。

わかってるけど、それでこの期に及んで「仁乃のことは飽きるまで遊んでやってるだけ」とか言われたら泣いてしまう。立ち直れる気もしない。



宵くんを信じてないわけじゃない。

わたしは愛されてるって自覚もちゃんとあるけれど、乙女として 好きな人から「好き」って言われたいとも思う。





宵くん、わたしのこと……ちゃんと好きだよね?



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