とろけるような、キスをして。
「送ってくれてありがとう」
玄関先でお礼を告げると、私を見て「あ!」と声を上げた。
「そうだ。渡したいものがあるんだった」
「え?」
忘れてた、と言いながら車に戻って何かを探している修斗さん。
何かを持ってきたかと思うと、小走りで戻ってきてスッと差し出されたもの。
サテンのリボンがかかった小さな箱。下の方には有名なジュエリーブランドのロゴが。
「これ。遅くなったけど、クリスマスプレゼントのお返し」
「お返し?いや、でもこれ絶対高いやつじゃん……!」
箱を見るだけで、私があげたマフラーの何倍もするのは容易に想像がつく。
「俺があげたくて買ったんだから気にしないで。まぁ、アクセサリーのプレゼントなんて初めてでどんなもんがいいのかあんまりわかんなくて、結局店員さんにいろいろオススメしてもらった中から選んだんだけど」
恥ずかしそうに頭を掻く姿に、緩む口元を隠しきれない。
修斗さんが私のために悩んでくれて、そして選んでくれた。
そのことがなによりも嬉しかった。
「……ありがとう。開けていい?」
「うん」
嬉しさのあまり、手が震える。
巻かれているリボンを解いて箱の蓋を開ける。
そこにはスエードタイプのケースが入っていた。
ゆっくりと箱から取り出して、ケースを開けた。