とろけるような、キスをして。
「……綺麗」
上品な白いパールが揺れる、ゴールドのドロップピアス。
華奢で、シンプルで、どんな服にもメイクにも合いそうなもの。
綺麗でとても可愛い。
「みゃーこ、穴あいてるくせにピアスしてないから」
「あー……、よく気付いたね」
両耳にある小さなピアスホールは、実は高校時代にあけたものだ。
確か高校二年生の春休みに入ってすぐ、友達と一緒にピアッサーであけた。
先生にバレたら大目玉をくらうから、休み明けも穴が安定するまではしばらく髪の毛で耳が見えないように工夫したりしていた。
結局は頭髪検査の時にバレて、それはそれは怒られてしまったけれど。
上京してからは、仕事が忙しくて新しくピアスを買ったりする余裕もなくて、何年も同じシンプルなものを使っていた。
新しいものを買おうにも中々欲しいものに出会えなかったこともあり、ここ最近は全く付けていなかったのだ。
「これなら服も選ばないだろうし、仕事中も付けられるでしょ」
「うん。嬉しい。ありがとう」
お世辞とかじゃなくて、本当に嬉しい。
「付けるのもったいないよ……飾っておきたい」
「だーめ。まぁ仕事中は好きにしていいけど、でも俺とのデートの時にはちゃんと付けること。いい?」
「うん。わかった」
思ってもみなかったプレゼントに、嬉しさが込み上げてくる。