とろけるような、キスをして。
旅行
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迎えた週末。
私は修斗さんの車に乗り込み、カーナビから流れる音楽を聴きながら窓の外を見つめていた。
「チェックインまで時間あるから、途中でどこか寄って行くか」
「うん。あ、私ここに行きたいなって思ってたの」
「え、どこ?」
「うんとね、───」
信号待ちのタイミングで修斗さんにスマートフォンの画面を見せる。
今日はドライブがてら、地元から車で四時間ほどの場所にある温泉地に行くことになった。
なかなかの距離だが、泉質がとても良いらしく修斗さんが一度行ってみたかったと言っていた。
今の季節限定で、夜になるとイベントが開かれるらしく、"みゃーこと一緒に行ってみたくて。どう?"と提案されて、すぐに頷いた。
大分寒くなるから、と防寒対策はバッチリだ。
修斗さんの膝には私があげたマフラーがかけてあって、私の耳には先日もらったピアスが揺れている。
「お、いいじゃん。行こ行こ」
途中にアフタヌーンティーが楽しめるお洒落なカフェがあるらしく、千代田さんにオススメしてもらっていた。
「その店までナビお願いしていい?」
「うん。まかせて」
マップのアプリを開いて、少し道を間違えながらも案内すること一時間。お店に着いた私たちは、お目当てのアフタヌーンティーセットを二人分注文。
三段重ねのティースタンドが運ばれてきて、その一段目にはマカロンやティラミス、二段目にはふわふわのパンケーキ、三段目に軽食のサンドウィッチが乗っていた。