とろけるような、キスをして。


「……恥ずかしい?」


「……うん」



 湯船には絶え間無くお湯が注がれており、どちらかが動く度に溢れていく。そこに降り落ちる雪もまた、触れたと思えばすぐに形を失くす。


川のせせらぎに混ざるように、風で揺れ動く木々からは葉が奏でる自然の音が響いていた。


冬の澄んだ空気と温かな温泉とその香り。檜の柔らかさと、しんしんと降る雪。そして森林や川の大自然の音が、私の脳に直接語りかけてくるかのように、緊張していた私の心をほんの少し、穏やかにさせた。


 しかしそれも束の間。隣からものすごい視線を感じる。



「……あんまり見ないで」


「だってみゃーこ、コロコロ表情変えてて可愛いから。それにみゃーこの身体はもう何回も見てるよ?」



 顔は冷気に触れて冷えているはずなのに。修斗さんからの真っ直ぐな視線が、私の頰をじわじわと染めていく。


せっかく少し落ち着いたのに、これじゃいつまで経っても変わらないじゃないか。



「それとこれとは別なのっ……」


「ははっ、マジで可愛いな」



 じとっと睨もうとしたものの、急に腰に回った手に引き寄せられて、気が付けば修斗さんの足の間におさまった身体。


後ろから抱きしめられるようにお腹に回る手。


それがさわさわと身体を撫でるように触るから、思わずビクッと肩が跳ねた。


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