とろけるような、キスをして。
約束と優しさと
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数週間後。
願書の波が落ち着いた頃、高校受験の前期の試験が始まり、私も土日に出勤して受験生の受付と案内、付き添いの保護者の方を待合室用に解放した空き教室まで案内したりと朝から忙しく動いた。
毎年筆記用具を忘れてくる学生がいるから、と教頭に言われていたものの、確かに数人が焦ったように筆記用具を借りに受付に戻ってきたことを思い出す。
修斗さんも試験監督をやったりと朝から忙しそうだった。
ようやく前期の日程が終わり、そしてその一週間後。後期の日程も終了した。
先生方は採点に追われ、私と千代田さんは内申点と試験の結果を擦り合わせて合否を決めていく作業に追われる。
と言っても、うちは私立高校だからあまりにも成績が悪くない限りはほとんど落とすことは無いと聞いた。
順位を付けると言ったら聞こえが悪いが、そんな感じだ。
その後は合否の結果送付に追われ、並行して在籍している生徒たちの大学受験の前期日程も始まる。進学率の計算や就職率の計算もネットにアップして、職員室の前にも張り出して。
ようやく千代田さんと落ち着いてお弁当をゆっくり食べられるようになった頃には、すでに三月に突入していた。
高校三年生の卒業式を終えた帰り。
修斗さんは二年生の担任だったため、卒業式を終えて後片付けも終わると帰っていいと言われたらしく、久し振りに一緒に帰ろうと誘ってくれた。
車に乗り込んで、シートベルトを締める。