とろけるような、キスをして。
「今日、俺が飯作るから、泊まってって?」
「え、いいの?」
「うん。明日休みだし。ゆっくりしよ」
「うん。ありがとう。楽しみ」
修斗さんの自宅マンションに着くと、座っててと促されて大人しくソファに座る。
疲れているだろうに、修斗さんは嬉しそうに晩ご飯を作り始めた。
「何作ってるの?」
いつだか修斗さんが座っていたカウンターの椅子に移動して、見慣れないエプロン姿を見つめる。
ここに来た時は私も使わせてもらっている紺色のエプロンは、やはり私が付けるよりはピッタリサイズに見えた。
「ん?オムライス」
「やったぁ!私オムライス大好き」
「知ってる。バターライスでクリームソースの作るから待ってて」
「うん。楽しみだなあ」
私の好みを熟知している修斗さんは、張り切って玉ねぎとベーコンを冷蔵庫から取り出した。
私はまたソファに戻って、テレビを見つつ後ろから聞こえてくる包丁で玉ねぎを切る音を聞く。
……あ、炒め始めた。
ソースかな?ぐつぐつ鳴ってる。
なんて、音が変わるたびに修斗さんの手付きを想像して、笑いそうになる。
「……良い匂い」
テレビの内容なんて全く頭に入ってこなくて、前に私が初めてここでハンバーグを作った時も、修斗さんは今の私と同じような気持ちだったのかな、と思って口角が上がった。