とろけるような、キスをして。
"どうせならうちを貸切にしてパーっと祝おうよ。レストランとかも中々行けないでしょ。俺たちもみゃーこちゃんの誕生日祝いたいし"
そんな時の大和さんの言葉はありがたく、すぐにお願いすることにした。
「別に誕生日は俺たちが決めたわけじゃないし。な、みゃーこ」
「うん。それにこうやって一緒に祝ってもらえるの嬉しいし」
「あー、みゃーこが今日も可愛い!好き!」
そう言って抱きついてくるから、
「ちょっと修斗さん、恥ずかしいからやめてっ」
「いいじゃん。事実なんだから」
逃げようとするもののがっちり腕の中に捕らえられて抜け出せない。
二人で不毛な言い合いをしていると、大和さんが呆れたように
「ほら、二人ともイチャつかない。早くケーキ食べるぞ」
とナイフで切り分けてくれる。
修斗さんもしぶしぶ身体を離してくれた。
このバースデーケーキは、雛乃さん特製のものだ。
「みゃーこちゃんのために張り切って作ったら、なんか大きくなっちゃって。食べ切れるかな?」
嬉しそうな雛乃さんは、大和さんが取り分けてくれたケーキの乗ったお皿を渡してくれる。
「大和も雛乃もさぁ、みゃーこのことばっかりだけど、一応俺の誕生日でもあるからな?俺のお祝いも兼ねてるからな?」
「細かいことは気にすんなよ。ほら、みゃーこちゃん。食いもんもいっぱい用意したから、好きなもの好きなだけ食べてってね」
「だから、俺は!?」
「お前は勝手に何でも食うだろーが」
修斗さんと大和さんが揉めているのを笑いながら見つつ、
「みゃーこちゃん、いっぱい食べてね」
「はい。ありがとうございます」
雛乃さんにお礼を言って、両手を合わせて「いただきます」と呟く。