とろけるような、キスをして。
「そう。泣いていいよ。もっと泣いて。泣きたい時は素直に泣いていいんだよ。我慢しすぎなんだよ。一人で頑張りすぎなんだよ。もっと俺に縋って、もっと俺に甘えていいから。ちゃんと受け止めるから」
「っ……せんっ、せー……」
「うん。大丈夫だから。俺はずっとここにいるから。帰って来いよ。……な?」
「いいっ、のかな……。私、帰って来ても、いいのかな」
「うん。いいんだ。だから帰って来い」
何度も頷きながら、私は先生の服を涙で濡らし続けた。
先生は背中をずっと摩ってくれていて、私が泣いているのに何故か嬉しそうに「うん。うん」と頷いていた。
両親が死んでから、こんなにちゃんと泣いたのは初めてかもしれない。
確かに私はなんでも一人で抱え込むタイプで、溜め込んで溜め込んで、最終的にこうやって爆発するタイプだ。
それは、両親が亡くなってからはさらに酷くなっていた。
先生は私のことをよくわかっている。
だからこうやって素直に泣いている姿が、私が感情を出す姿が、嬉しいのだろうか。