とろけるような、キスをして。
「……どんなお仕事か、とか。学校事務って言われてもパッと出てこないから、一度詳しく話は聞いてみたいかも」
業種も明らかに違うし、本当に今までのスキルが役に立つのか少し不安は残る。
「わかった。それもそうだな。じゃあちょっと教頭にそういう仕事の説明も兼ねて面接出来ないか聞いてみる」
「……いいの?」
「もちろん。俺もみゃーこがうちで働いてくれるならこの上なく嬉しいし。だから俺に任せて」
「ありがとう。先生」
とんとん拍子で次の仕事の案が出て、この街に帰ってくるのがまた一つ、現実的になってきた。
履歴書と職務経歴書を用意しないと。ああいうのは書くのが苦手だから時間をかけてやろう。
明日の帰りに買いに行こうか。
先生に言うと、「じゃあ明日は買い物行くか」と当たり前のように付き合ってくれることになった。
「そんなつもりで言ったんじゃないのに」
「言っただろ?俺がみゃーこともっと話したいんだって」
「……明日も?」
「明日も。本当は明後日もその次も。ずーっと」
優しい表情に見つめられて、私が照れてしまって先に目を逸らした。
面白そうに笑う先生。
やっぱり先生は私をからかって遊んでいるようだ。元生徒を弄ぶなんて、なんて厄介な教師だろう。