とろけるような、キスをして。



「せ……、修斗さん、おすすめの本は?」



 危うく先生と呼びそうになって、慌てて呼び直した。


先生はそれに笑いそうなりながらもどうにか堪えてくれている。



「ね、おすすめの本は?」


「……俺が本読むように見えるか?」


「見えない」



 残念ながら先生は本は見ない様子。漫画なら読むと言うので、漫画コーナーを見ておすすめを聞いたり、CDコーナーで先生の車で流れてるバンドのCDを見たり。


広い店内を見て回るだけで、勝手に時間が経過していく。


 気が付けばお店に入ってからすでに二時間近く経過していて、ファストフード店が併設されている理由がよくわかる。


私たちもその策略にまんまと乗せられ、軽く食べようかとポテトとサラダ、アイスティーを注文した。



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