とろけるような、キスをして。
二度目の帰省
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───そして、一ヶ月後。
あっという間に面接の日がやってきた。
「みゃーこ!」
「あれ?先生、わざわざ迎えに来てくれたの?」
「もちろん。飛行機疲れただろ。車で来たから乗って」
「いいの?ありがとう」
面接の日の午前十一時。地元の空港に着くと、到着ゲートのすぐ側に先生が待っていた。
頻繁に電話をしていたからか、あんまり久しぶりな感じもしない。
「みゃーこのスーツ姿、初めて見たかも」
「そうだよね。一応面接だから着てきたんだけど、久しぶりに着たからちょっとそわそわしてる」
「大丈夫、似合ってるよ。仕事できそうな感じ」
「それは褒めすぎ。全然そんなことないから」
久しぶりにクローゼットの奥から出したスーツは、上京した時に適当に買ったリクルートのもの。
今の仕事はオフィスカジュアルならなんでもいいから、敢えてスーツを着る機会はほぼ無いに等しい。
そのため私は他にスーツなど持っていなかった。
流石にこの歳でリクルートを着るわけにもいかず、一週間前に新調してきたのだ。
スーツを着ると、何故か背筋が伸びる気がするから不思議だ。